『かもさん おとおり』は、ボストンのチャールズ川から公園の池へと引っ越すかものマラード家の物語です。この絵本では、マラードさんとマラードおくさん、そして彼らのひなたちが都会の真ん中を行進する大冒険を描いています。
物語は、マラード家が巣作りの場所を探して飛び回るシーンから始まります。彼らは巣を作り、8羽のひなを育てると、やがて成長したひなたちと共に新たな生活場所を求めて公園の池へと向かいます。この引っ越しは、おまわりさんが交通整理をしてくれるなど、地域の人々の助けを得ながら行われます。
特に印象的なのは、マラードおくさんがひなたちを率いて町中を行進するシーンです。この場面は、協力とコミュニティの大切さを象徴しており、読者に強い印象を与えます。また、ロジャー・デュボアザンの生き生きとしたイラストが物語に彩りを加え、キャラクターたちの魅力を一層引き立てています。
『かもさん おとおり』は、都会での自然との共存を美しく描いた作品で、子供たちに自然に対する敬愛と、他者と協力することの価値を教えてくれるように思います。この絵本は、どの世代にも愛されること間違いなしの、心温まる物語です。