![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
とある都会の外れのほう、ロボットだけが暮らす場所。 そんな町の片すみに、キングドリンク・ショップはあります。
ロボットのためのジュースやオイルを売っている、町のみんなの憩いの場! そのまんなかには、缶を捨てるためのゴミ箱が置いてあります。 彼の名前は、キュキュ。 ゴミ箱型の古いロボットで、キングドリンク・ショップをきれいに保つための、おそうじロボットです!
朝早くに動き出して、道路のゴミを拾ったり、自販機ロボを洗ったり、夜までずーっと、働きどおし。 でも、働くのが嬉しいキュキュは、楽しく掃除を続けます。 ところがある日、水に弱いキュキュは、雨に打たれて壊れてしまいました──
人形、犬型、ミツバチ型まで! 暮らすものすべてがロボットの町、そのちいさな一画だけを舞台に、物語は進んでいきます。
「バルンくん」シリーズや『はやいぞブンブン』など、かわいい乗り物の絵本で知られる、こもりまことさんの最新作。 そう、なんとこんどの絵本は、車じゃない!
いかにもメカメカしい、SFチックな部分と、マスコットキャラクターのようにポップで、かわいらしい部分。 それらが自然にまざりあった、独特な世界観とメカニックデザインがみどころです!
車輪走行のロボット、服を着ているロボット、背中に“足”と大きく印字されたロボット── 登場するロボットはみんな全く異なる姿形をしていて、荷物を抱えているものもいれば、急いでいるものもいます。 彼はどんなロボットなんだろう? あれは何をしているところなんだろう? それぞれが何か仕事を持ち、その目的のためにデザインされているのだと考えると、ページの外に広がる、このロボットだけの町の景色をさまざまに想像してしまって、なんだかワクワク、ソワソワ……。 壊れてしまったキュキュも、いったいどんな場所に運ばれていったのやら。 物語の結末をみるに、どうやら、ずいぶん技術の進んだ工場にいってきたようです。
おそうじロボット「キュキュ」のお仕事を通して見る、ロボットだけの世界! 堪能してください。
(堀井拓馬 小説家)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
ここは大きな都会の一角にある、ロボットがくらす町。 そこに、ロボットたちがひと息ついて元気をつける自販機コーナー「キングドリンク・ショップ」があります。
キュキュは、その場所をきれいにする役目の、ごみばこ型おそうじロボット。まいにち朝早くから掃除をして、天気のいい日は自販機ロボットたちを洗います。
そんなふうに毎日せっせと仕事に精を出すキュキュでしたが、ある日、雨がふってきました。もう古い型となったキュキュは、水によわく、雨にぬれるとこわれてしまうかもしれません。 しかし仕事の手をとめるわけにもいかず、キュキュは仕事を続けますが……。
車の絵を中心に活躍する作者ですが、その一方でロボットにもつよい共感をおぼえて、さまざまなロボットを描きつづけてきました。本作では、主人公のキュキュだけでなく、親子づれやペット、アヒル、ハチと、さまざまな型のロボットが登場します。
けなげに働くロボットたちを、ていねいな筆致で色あざやかに描く、近未来絵本です。
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