
地球上すべての生き物を背の順にならべると、人間はどのあたりに位置するでしょう? 答えはなんと、うしろのほう! アリでさえ、真ん中のあたりにいるといいます。 人間って、実はおおきい生き物なんですね。
地球のあらゆる場所に生息しているちいさな生き物。 本書はそんな「ミクロ生物」たちの生態をのぞき、目には見えない世界の広がりを学ぶことができる、科学絵本です。
ミドリムシにゾウリムシ、アメーバ、ミジンコ、ボルボックス。 マンガ風のかわいいイラストに加えて、「こいつのこういうトコ、スゴイでしょ!?」と自慢するかのような解説はオドロキの連続で、いつまでも興味をもって読み進めることができます。 まさしく、著者のミクロ生物に対する愛と、あふれる興味がほとばしった一冊!
体のなかで野菜を育てるやつ、合体して赤ちゃんに若返るやつ、海を青白く光らせるやつ…… “ミクロじゃない”われわれ人間の常識では考えられない、その生態は、まるで宇宙人……SFの世界に紛れ込んでしまったような感覚に陥る人もいるのではないでしょうか?
さらにこの絵本は「生き物が好き」という人以外にも、興味のとびらを開いてくれます。 例えば、工業製品の製作にたずさわったり、エコエネルギーを生み出したり、汚い水をきれいにしたり……ミクロ生物が人間社会と密接にむすびついていることも、絵本を読むと分かってくるのです。
特に興味をひかれたのは、けい藻類でつくられたクリスマスツリー! ガラスのカラで体を覆うけい藻類は、ガラス工芸のアクセサリーのような姿をしています。 そんなけい藻類をつかって、けい藻アーティスト(!?)の奥修博士がつくった米粒より小さいクリスマスツリーの写真は必見……!
採取に必要な道具や装備、観察の仕方や記録の仕方など、実践的なノウハウについてもバッチリ掲載されているだけでなく、学習をさらに深めるために、学年ごとにおすすめの関連資料まで掲載されているという親切ぶり。 ちいさな生き物への興味を推し進めるのに最適な一冊であることはもちろん、これを読めば、思いもよらない興味、関心との出会いが、きっとあるはず! さあ、ミクロな世界の入り口をくぐって、巨大な世界をみにいきましょう!
(堀井拓馬 小説家)

地球上のあらゆる場所には、砂つぶより小さな生き物「ミクロ生物」たちが無数にくらしている。顕微鏡でなくては見ることができないほど小さいけれど、その世界は、じつは巨大な広がりをもっている。ミクロ生物は「縁の下の力持ち」で、さまざまな働きをしている。しかもそれぞれ個性ゆたかで多様性に満ちていて、環境を考えるうえでも重要な存在。そんなミクロ生物たちの知られざる秘密について、わかりやすく、イラストや写真を使って紹介する。ゾウリムシ、ミドリムシ、アメーバ、ボルボックス、シアノバクテリア、けい藻、うずべん毛藻、ミジンコのなかまたちについて、その体のつくりや働きについて解説。おもしろ絵図鑑。

肉眼では見ることが出来ない、小さな小さな生き物・・・ 微生物について、イラストや写真を使って詳しく紹介されています。
増えていくにはどんなことをしているかや、排せつに関する内容もあり、隅々まで読んでいると読むところが沢山あり、じっくり読めます。
ちょっとだけ他のことに例えているイラストや、デフォルメされているイラストは理解しやすく、子供でもなるほどと思えるのではないでしょうか。勿論、大人でもじっくり読んで理解が深められると思います。 (hime59153さん 40代・ママ 男の子10歳)
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