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
人買いのためにひき離された母と姉弟の受難を通して犠牲の意味を問う「山椒太夫」のほか「高瀬舟」「阿部一族」「金貨」など5編収録。

絵本、紙芝居で馴染んでいる「山椒大夫」の原作がどの様であったか、興味を持って手にした本ですが、読み進むにつれて、児童書とは思えない重さに驚いてしまいました。
安楽死をテーマとした、「高瀬舟」は、かつて教科書にあったように思うのですが、その後に来るのは、殉死や切腹という生々しい描写が繰り返される作品たち。
今の子どもたちには刺激の多いものばかり。
森鴎外の硬派を痛感する一冊でした。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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