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沖縄本島に無数あるガマ(壕)。戦後、その洞窟で遺骨を掘り続けている人々がいます。そこからは、学用品や日用品も掘り出されます。それは、アメリカ兵から身を隠して暮らし、爆弾や毒ガスを投げ込まれて息絶えた人々の存在を、いまに伝える痕跡なのです。そのなかから、「すずり」「目覚まし時計」「アルバム」をめぐる現在と過去の物語を描きます。モノたちから浮かび上がるのは、最期の瞬間まで人間であろうとした命の証です。
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戦後69年と言いますが、まだ国内にあって遺骨取集が終了していない場所があることを再認識して、沖縄の戦争に対する思いを強く実感しました。
沖縄に存在する数多くのガマと呼ばれる洞穴。
終戦直前の人々が、アメリカ兵だけではなく日本兵も敵とした歴史がとても痛いです。
フィクションではありますが、実話をもとにしている3つのお話。
資料となる写真で、話がより克明に心に刻まれました。
沖縄にはまだまだ、日本に返還されていない場所があります。
戦争の傷跡はまだまだ残されているのですね。
硯、時計、アルバム…。
遺品が語る沖縄戦は、アーサ・ビナードの『さがしています』の語る広島原爆と共通していました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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