![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
古だぬきのだいごろうは、自分以外は「自分が化かすためにいるんだ」と、誰のことも信じないで生きてきました。 そんなある日、道に迷ったりょういちに出逢います。 りょういちは、とにかく素直。 どんなことも信じる、純粋で真っすぐな少年です。
そんなりょういちを化かしてやろうと、だいごろうは聞きました。 「おい おまえがほしいものを いってみな」 するとりょういちは…… 「にじが いい」 に、にじ!? いくらだいごろうでも、にじに化けるのは体がもちません。 そこで、だいごろうはりょういちを騙すことにしました。 「100えんで にじを おまえに うってやろう」 こう言えば、貧しいりょういちはあきらめるだろうと思ったのです。 けれど、りょういちは、その日から毎日お母さんのお手伝いをして、5円ずつだいごろうに持ってきました。 そして100円になった日、だいごろうは……。
『おこだでませんように』『ともだちやもんな、ぼくら』など、子どもにも大人にも、深いところで「気づき」を与えてくれるくすのきしげのりさんの作品。 本作も、「信じること」「信じてもらうこと」「信じてもらった気持ちにこたえること」という大切なことを、物語を通して語りかけてくれます。
ひとつ気にかけたいのが、お子さんが「100円」と「5円」の概念を理解できているかな?ということ。 ちょっと「???」という感じでしたら、ぜひ……一度、5円玉を100円分(20枚ですね!)並べて、100円というお金の価値(「100円は、お菓子1個買えるぐらいだよ、5円を20枚集めると100円になるよ」など)について、話してみてください。 物語への理解が深まるだけでなく、貨幣について学ぶきっかけにも、なるのではないでしょうか。
(洪愛舜 編集者・ライター)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
だれも信じずひとりで生きてきたタヌキ。人間の子どもをからかってやろうと「ほしいものをだしてやる」と言うと、子どもは「虹がいい」と答えます。テーマは「信じること、信頼に応えること」。じんわり心に染み入るストーリーです。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
古狸のだいごろうは、ちょっと「虹」を出すことが大丈夫かなあ?って心配してしまいましたが、無事に綺麗な虹を出すことが出来てほっとしました。純真な男の子りょういちと出会うことでだいごおうの人生観も変わって人を信じることを学べてよかったと思いました。おかあさんのお手伝いをして、5円玉を20回もってくるりょういちに私も見習うことが沢山あるなあと思いました。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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