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りっぱなツノがはえたサイ。 だけど、彼は自分の姿が大嫌い。
「かおの どまんなかに おおきな つのがある ひふは はいいろで ぶあつい。 せなかは もりあがっていて、 くちびるまで かたい。 みみときたら らっぱみたいだ。」
こんな姿は誰にも見られたくない。消えてしまいたい。 ぎゅっと目をつぶり、願います。
自分が好きになれない、そんな瞬間って誰にでもおとずれるはず。 そんな時、自分だったらどうするだろう。 部屋に閉じこもる? そんなの気にしない?
サイは、自分の姿が消えてしまうのです。 願いがかなって喜ぶサイ。他人の目を気にせず自由気ままに過ごせることを楽しみます。 だけどある時、水辺で女の子に出会い、サイの中に違う感情が生まれてきて・・・。
心の中に潜む繊細な心の動きを、ダイナミックな線と優しい色彩で描き出します。 どこまでも深くて暗い自分の中の悩み、だけど世界が変わって見えるきっかけは、ささいな瞬間に隠れているものです。 「きっと誰かが見ていてくれるよ。」 そんな温かいメッセージが聞こえてくるような絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

自分のすがたがきらいなサイ。 きえてしまいたいと願っていたら、本当にすがたがきえてしまった。 とうめいになったら、たのしいことがいっぱいだ。 ぼくはだれにも見えないんだから。

自己否定を感じる、寂しげな出だし。
自分の姿に自信を持てなくなったのは、自分の思い込みなのか、誰かに何かを言われたからなのか、凄く気になってしまいます。
けれど、同じサイに出会い、その姿が素敵だなぁと思えたり、自分のそばにいつもいてくれた友達の存在に気付いたり・・・
自己否定から自己肯定へ。
いじめのお話にも通じるような内容に思えました。 (hime59153さん 40代・ママ 男の子7歳)
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