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![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
ちょうのうりょくを身につけたゾロリは、カレー工場にしのびこんで… そこにはおそろしいひみつが!! 絵がかわるふしぎな表紙。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
バカに安いカレーをめぐって、ゾロリ一家が超能力にあこがれる子どもたちを利用してズルく儲けようと画策するお話。
2008年刊行。
往年の超能力ブーム(ユリ・ゲラーのスプーン曲げなど)を知っている中高年には、いろんな箇所に懐かしい思い出がチラホラ垣間見られる楽しいお話。小学校の給食の時間に、スプーンを無理やり曲げようと頑張った。それは徒労に終わったが、本書に出てくる子どもたちは、少しだけ持っている超能力をフル活用して、活躍している。いいなあ。
ゾロリの食欲・物欲がかなりの超能力として発揮されるのが愉快だ。やっぱり人間は欲求、それも下世話な欲望が一番強く現実に作用するのだ。この泥臭さが、本シリーズの美味しいところ。正直な気持ちの吐露が素敵過ぎる。
最終的にはいい話のようになってしまうのが、泥棒としては不名誉かもしれないが、読者的には安心して子どもに与えられる。なかなか素敵な孝行物語、人情モノとも言える。
バカな設定が満載なのに、どうしてか妙に感動して心が熱くなるのが不思議。それこそ、作者の超能力だ。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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