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
谷間の小さな村で雑貨屋をひらいているおばあさんは、遠い村で働いているという息子の話をよくしていました。でも村の人たちはみんな知っていたのです。おばあさんに息子はいなくて、昔からのひとりぐらしだったことを。ところがある日、「孫娘の千枝ちゃん」がひょっこりやってきて…。心がぽっとあたたかくなる、安房直子絵ぶんこシリーズ第4弾。

谷間の小さな村で雑貨屋を営むお婆さんのお話です。
昔から独り者で、子どもたちなどいないと言う1行が、この物語をとても重くしました。
お話は幻想なのです。
孤老の寂しさでしょうか、幻想に生きるようになったということでしょうか。
お婆さんの幻想を具現化してくれたのは狸たちでした。
ひょっとしたら、お婆さんは人間でない生き物たちと生きて来たのでしょうか。
寂しいけれど、ほんのりと救いのあるお話でした。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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