![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
ぼくたちがくらすのは、空の世界。 だけどひとたび扉をくぐれば、そこはもう、海の世界。 世界をつなぐその扉は、「すいめん」。
ながめているだけで、とってもさわやか、なんだか涼し?! 空と海との境界、水面をテーマにした写真集です。
表紙からもう、水面世界のとりこ! 水面のやわらかさ、はかなさに、指先で触れられそうなほどの質感……その幻想的な写真に、ページをめくる前から引き込まれてしまいます。
表紙をめくれば、水面のすぐ下を群れで泳ぐ、半透明の身体をした小さな魚たちの群れを写した一枚があらわれます。 水中から見た水面には、魚たちのキラキラ光る体が淡く映り込み、まるで青いガラス細工か、万華鏡をのぞいているような美しさです。
著者は、水中写真家の高久至さん。 ウミガメが海をいく姿を大迫力の写真でとらえた『おかえり、ウミガメ』や、海をぷかぷかと浮遊する生き物のふしぎな姿を写した『海のぷかぷか』でも知られています。
「小さいころ、水面近くにくらす生きものはたくさんいる。 水面は、いのちをはぐくむゆりかごでもあるんだ」
「魚たちとちがって、イルカやクジラは海のなかでは息ができない。 かれらにとって水面は、呼吸をするだいじな場所」
そんなふうに、水面は海の生き物たちにとっても、特別な場所なのです。
海と空の色が混じり合うひすいの色の世界で、ぷかぷか浮かぶ豆つぶみたいなアオリイカの子どもたち。 ゆらめく鏡のような水面に背中を写しながら、ときおり空の世界に頭を出して、ゆうゆうと泳いでいくイルカの群れ。
海の生き物たちにとって水面がどんな意味を持つ場所なのかを知ることで、その光景がまた一段と新鮮なものに写ります。
海の中ではいちばん身近、なのに知らない! あたらしい! ユニークな視点で、海の知られざる姿をとらえたおすすめの一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
水面は空と海の境目で、そこを越えると大きな変化があります。海からと空からの視点を交え、魚やクジラなど、そこに暮らす生き物のくらしも考えながら、水面の不思議を紹介。境目を超えて、見えてくる世界の感動が伝わります。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
表紙の透明感のある写真に惹かれ、手に取りました。
空と海の境目の「すいめん」のいろんな姿を見せてくれる写真絵本です。海底など、海の中の写真絵本というのはたくさんありますが、水面の写真というのは珍しいなと思いました。
穏やかで美しい水面も、海の生き物にとっては巨大な壁にもなるというのが印象的です。
美しい海の写真たちですが、一方で、水面を漂うゴミもあります。美しい海を人間が壊していないか、きちんと考えないといけないなと思いました。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子13歳)
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