![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
現代のように、メールも電話もなかった奈良時代。 国家の一大事を伝えるために置かれたのが、主人公の小里が生まれ育った「駅家(うまや)」。 急を知らせる使者たちは、駅鈴(はゆまのすず)を鳴らし、駅家から小里たち駅子とともに馬を走らせ、重大な知らせを伝えました。
小里は、駅家の仕事を誇りに思い、祖父のような駅長(うまやのおさ)になることを夢見る13歳。 女がなれるわけがない、と周囲からいわれる中で、京(みやこ)から来た使者・井上若見(いのうえのわかみ)と出会います。 駅家で働きたいという小里を応援してくれるただ一人の存在・若見にやがて想いをかけるようになる小里。 しかし、駅家か若見か、決断を迫られる時がきて……。
戦、京うつり、地震……時代の波にもまれながら、小里が選んだ道とは……? 近江国(滋賀県)を舞台にした奈良時代の青春ストーリー!
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
奈良時代の律令国家を支える交通と伝達のシステムである「駅伝制」を背景にしたお話。電話もメールもない時代、国の大事な知らせを伝えるのは、役人である「駅使(はゆまづかい)」。彼らの道案内をしたり世話をするのは「駅家(うまや)」にいる「駅子(うまのこ)」。女の子でありながら駅子になることを願う小里の成長物語です。
「駅伝制」という、よく知らない歴史の一面の物語でしたが、なおさら興味深く面白く読めました。そして、疎いながらも、大伴家持や行基、万葉集の編纂、大仏建立という知っている名前や歴史が出てきたので、あのあたりの話なんだな、と見当もつきました。
ちょっとハラハラするストーリー展開に加え、ロマンスもあります。昔むかしの歴史的事実に人を配置し、息を吹き込み、物語を紡ぎあげる作者の想像力に拍手です。他にはない物語です。 (なみ@えほんさん 50代・その他の方 )
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