ぽかぽかあたたかい陽射しの中で、こぶたくんとお母さんがかくれんぼ。 まずはお母さんがおに。こぶたくんは隠れ場所をさがします。
「あ、あの あなに かくれよう」と思ったこぶたくんですが のぞいてみると、もぐらくんが、ふにゃらふにゃらとお昼寝中。 「あの いけに かくれよう」 「きの うえに かくれよう」 こぶたくんが隠れようとするたびに、そこには誰かがいて…… 気持ち良さそうにくつろいでいます。
「もう いいかい?」 「まーだだよ」
のんびりした繰り返しと、隠れ場所をさがすこぶたくんの目線とともにひろがる、春の風景。 ページをめくりながら何だか心がふんわりしてきます。
こぶたくんのだいすきなおかあさん。 あちこちで春をたのしむお友だち。 だいすきなみんなと、気持ちいい緑のなかで遊ぶ幸せが伝わってきます。 春いっぱいのやさしい空気につつまれた絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
入園、入学…春はいろいろと新しいことが始まります。すべてが新しくて慣れないことだらけ。お母さんやお父さんはそばにいないし、不安もたくさんあります。お母さんとの二人遊びから、お友だちへと輪を広げたこぶたくん。こぶたくんの世界が広がった瞬間です。新しい生活へと一歩踏み出した子どもたちを応援する一冊になれたら…。そんな願いをこめた絵本です。
まだ歩き始めて間もないこぶたちゃんが、お母さんとかくれんぼしているといろんなものと出合う、といった流れのお話でしょうか。
絵もお話も初々しさと喜びに満ちていて、楽しくなります。
だんだんお友だちが出来ていく、これからを感じさせる絵本です。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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