
人びとは5000年以上もまえから、身のまわりのことがらについて書きとめてきました。 やわらかい粘土に記号や符号を彫ったり、石に文字を刻んだり、コンピュータに入力したりと、 方法はさまざまですが、思想やアイディアや日々の生活について、常に記録してきました。 また、同じくらい大昔から記録を保管して分類する方法を考えだし、他の人がたやすく利用できるようにしたり、 後世の人のために保存したりしてきました。これが図書館のはじまりです。 図書館の歴史をイラストでわかりやすく紹介した1冊。

本の歴史を辿ることは、世界の歴史を辿ることでした。
そして、図書館は人を育てる、その具体例であるカーネギーの話は感動的。彼は、正規の教育をほとんど受けていませんでしたが、職業学校と図書館で勉強することにより、事業で大成功したのでした。
カーネギーは、「地域社会に貢献する最善の方法は、意欲的な人間がよしのぼれるように、その手の届くところに はしごをかけることだ」と言い、財産のほとんどを使って、世界に2811館の公共図書館を建てたそうです。自分に「はしご」があったように、他の人にも「はしご」をかけてあげたのですね。
他にも、ラクダの移動図書館の話や、19世紀にアメリカに建てられた図書館に「児童図書室」が設けられたという話が印象的でした。
「知りたい」「伝えたい」「残したい」という 人間の強い想いが本の歴史を作ってきた、そして、今もまた その新しい流れの中にいる と強く感じた本でした。 (なみ@えほんさん 50代・その他の方 )
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