小さなリスがゾウとアリと森の中で一緒に暮らしていました。そんな不思議な設定のお話がチェコから届きました。 3人が住んでいるほら穴はリスにはちょうどいいのですが、大きなゾウには「狭すぎ」て、小さなアリには「大きすぎ」ます。ゾウが文句を言っても怒らせると怖いのでリスは黙っていました。アリは小さな部屋を作ってやっと落ち着きました。こんな3人が一緒に暮らすなんてどんな感じなのでしょう? ごはんをつくると「もっといっぱいつくってよ、食べた気がしない。」と大きなゾウ。「そんなにつくらないでよ。」と小さなアリ。 そうじをしても「ごみなんか落ちてやしないよ。」とゾウ。「これでそうじしたつもり?」とアリ。 リスはどうしてこんな二人と一緒にいるのでしょう、でも答えは簡単「わたしあのふたりがすきなの。」それを聞いた瞬間から私は3人の生活の全てが愛しく見えてくるのでした。 3人でピクニックへ出掛けると、文句を言いながらゆっくり歩くゾウ。あんまり遠いものが見えないアリののためにリスは星の絵を描いてあげます。 そんなリスの身に、ある日危険がせまります・・・。 深い緑の自然の中で、他人から見ると一見分からない表面的ではない友情、愛情が描かれていて、気がつくと静かな感動に包まれているのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ちいさなリスが、森のなかで、ゾウとアリとリスといっしょに暮らしていました。ゾウにとっては、家も、食べ物も、何もかもが小さすぎ、アリにとっては何もかもが大きすぎます。まったく違うゾウとアリ、ですがリスはこのふたりの友人が大好きなのでした。そんなある日、ひなたぼっこをしていたリスは猟師に連れ去られてしまい……。 それぞれ違うもの同士の表面的ではない深い愛情や友情を描いた寓話のような物語。愛らしくも気品のある絵が不思議な奥ゆきをたたえて物語の世界をつつみこむ、美しいチェコの絵本です。20年あまりのときを経て、今日本でよみがえりました。
白いワンピースを着たりすの表紙にひかれて手にとりました。
りすとありとぞうが一緒に暮らしているお話です。
想像できますか?
洞穴に住んでいましたが、リスはちょうどいい大きさと思い、
ぞうは少し狭いと思い、アリは広すぎると感じていました。
すべてがこんな感じで、食事にしても、ピクニックへ行っても・・・
いつもみんなが満足できる状況にはなりません。
ある日別のリスが「なんであの2人と暮らしているの?」と聞きますが
リスは「あの2人が好きなの」と答えます。
ああ・・・すきっていう気持ちがいちばんだよねぇ、シンプルな答えに少し感動を覚えつつ
話の転機にドキッとして、これから何が起こるのか・・・ページをめくりました。
リスは切り株の上で昼寝をしている時に狩人につかまって連れてかれてしまいます。
金網で出来た籠に入れられてしまったのです。
そこへありが着て・・・ぞうが助けにきます。
小さすぎるありと大きいぞうの特性を生かしてリスを助けます。
「3人は前よりもずっと楽しく暮らしました」としめくくります。
この一説がとても好きです。
家族はこうありたいな、と思いました。
もうすぐ5歳の子は静かに聞き入っていました。
なにか感じてくれたらいいな。
もうすぐ3歳の子には長く難しかったようです。
もう少し大きくなった時にまた読んであげたい、なんどでも読んであげたいと思う本です。 (うららさん 30代・ママ 女の子5歳、女の子2歳)
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