貧しい荷物はこびの藤六は,病気の母親にもらった頭巾をかぶって仕事にでかけました.おどろいたことに,それは鳥や木たちのことばがわかる,ふしぎな頭巾でした.日本民話の絵本.
かぶっていると、鳥の話や木の話がわかる不思議な頭巾。
母親思いの籐六は、雨の中をおおきな嫁入り箪笥を長者の家に運びます。
律儀な籐六は、心優しくて打算がありません。
鳥たちの話で長者の娘が病気だと知って、籐六は病気を治すために山に向かいます。
木たちの話によると、娘の病気を治すためには、枯れそうなくすのきを元気にしなければなりません。
くすのきを元気にするためには山の上の大きな石をその場所からどかさなければならないのです。
山の石をどかしたら、くすのきは元気になり、娘の病も治りました。
さらに、今まで長者が独占していた田畑の水が村中に行きわたるようになって、村は豊かになりました。
本当ならば、長者の娘にとって籐六は恩人だから、何かご褒美があってもよさそうです。
村人にとっても恩人だから貧乏な暮らしから解放されたなんてこともありそうです。
しかし、そんなありきたりな展開ではないところがとても清々しいのです。
病気が治った母親と、不思議な頭巾で小鳥たちの話を聞くところには、しみじみと情感をくすぐられました。
ところで籐六の聞いた鳥たちの会話。
「すべる」とか、「ひっぱって」とか、会話はどんな光景を想像すれば良いのでしょうか?
ききみみずきんの謎でした。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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