五味太郎さんの新作はのりものたちが主人公の「きをつけて」シリーズ3部作。 同じ「きをつけて」でも、色々あるんです。
「トラック」「ひこうき」ときて、第3作目の主人公は小さな「ふね」です。 小さくて、とても可愛いふねが出発しました。 波がでてきたり、大きなふねがやってきたり。 「じゃましないように、きをつけて。」 「ぶつからないように、きをつけて。」 おやおや、自分でちゃんとまわりの人に言ってるみたいですよ。 太陽が出てくれば「まぶしくしないように」、雨がやってくれば「ぬらさないように」。 「みんないろいろ、きをつけて」 なんだかしっかりしています。でもね・・・。
イメージはちょっとおしゃまな女の子? それとも、ちゃっかりしている男の子? まだまだ小さい子どもです。しっかりと甘えたいのも本音です。 それでも最後のひとことには、親である私たちが脱帽です。
言葉は少なくても、子どもたちへのあたたかいまなざしにあふれたこの作品。 シリーズ3作、どの子を見ていても愛らしくて繰り返し読んでしまいます。 親子で兄弟で、いろんな楽しみ方ができそうですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ちいさなふねがしゅっぱつしました。あ、なみがでてきました。ゆらさないようにきをつけて。あめもふってきました。ぬらさないようにきをつけて。すすんださきには……?
「きをつけて」の考察3作目です。
今度は小さい船が主人公ですね。
もちろん、出航からスタート。
「きをつけて」の語りかけは同じなのですが、ん?誰に向かって?
そう、航海は自分の思いのままにならないのがポイント。
だから、周りに注意をお願いしているバージョンなのです。
「きをつけて」は、奥が深いです。
寂しくさせないように!?
なかなか鋭い指摘です。
ラストの言葉は、五味太郎さんならでは。
このフィナーレに、脱帽です。 (レイラさん 40代・ママ 男の子21歳、男の子19歳)
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