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冬が苦手なかえるくん。ウサギ、アヒル、ブタなどいつもの仲間があたたかく応援します。冬を乗り切ったかえるくんの部屋に、まぶしい太陽の光がさしこみました。
かえるくんシリーズの一冊です。
今回のかえるくんは、自分の苦手な冬がやってきたので、とても元気がありません。
いつもの友だちが冬を満喫しているのを見、一緒に遊んでくれても、かえるくんはちっとも幸せではありません。
とにかくかえるくんは冬の間は、「ぼくはつるつるの体で毛皮なんてないんだから・・・」とずっと文句を言っていて、ずっと不機嫌なのです。
全身から“ぼくって不幸”という光線を出しているので、読んでるこちらはちょっとイライラしたりもします。
そして春がやって来た途端、かえるくんは元気になり、「つるつるのかえるでよかったな」なんて跳ねまわるのです。
普通、本の世界では、苦手なものでも友だちの力を借りて克服し、結局「案外冬っていいものだな」なんて結末になるのですが、この本ではかえるくんは克服なんて絶対にしないのです。
これがかえってうそ臭くなく、かえるくんの本能を描ききっていて凄いとさえ思ってしまいます。
学習しないし、前向きにもならないかえるくんですが、かえるであることを十分に満喫しているのが伝わってきます。 (金のりんごさん 40代・ママ 女の子12歳、男の子8歳、男の子6歳)
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