はなちゃんは、毎朝5時に起きて、 パパと一緒に台所に向かいます。 パパがご飯を炊いている間に、はなちゃんが作るのは、 ママが教えてくれた「おみそ汁」。 前の夜から準備をしていた昆布と削ったかつお節で“だし”を取り、 包丁を使って、具を切り、おみそをとかして、ていねいに作っていきます。 はなちゃんは、このおみそ汁を5才の頃から作りつづけているのです。 それは、なぜかというと……。
2014年に出版され、多くの読者の心をつかんだ、 実話を元にしたノンフィクション『はなちゃんのみそ汁』。 2015年にはテレビドラマ化、2016年には映画化も予定されているベストセラー作品が、 絵本になりました。
物語は、小学生のはなちゃんを通して、 はなちゃんがおみそ汁を作るようになった理由や、 はなちゃんのママが娘に伝えたかったことなどが、 何気ない日常の様子とともに、とても明るく、ていねいに描かれています。
絵本を読むと、はなちゃん家族に訪れた悲しい別れや、 はなちゃんがママから教わったことが、特別な家庭のできごとではなく、 私たちの身近にも起こりうることのように思えてくるふしぎな感覚……。
生きることについて話したいとき、命について考えたいときに 手に取りたい一冊です。
(木村春子 絵本ナビライター)
はなちゃんは、日本一、早起きな小学生なんじゃないかな? 起きたら真っ先に向かうのは台所。パパといっしょに朝ごはんをつくるんだ。 昆布と自分でけずったかつおぶしでおだしをとって、豆腐を切って、おみそをといて……。 食卓について「いただきます」のその前に、ママの写真に向かって手を合わせて、こう言うんだ。 「ママ、パパとはなは、もう だいじょうぶだよ!」
がんで、残り少ない命を覚悟した母親が、5歳の幼き娘に伝えたのは、ひとりでも生きていけるための力! ベストセラーとなった原作『はなちゃんのみそ汁』(文藝春秋)。24時間テレビでもドラマ化された感動の実話が、親から子へと読み継がれる絵本になりました。はなちゃんのみそ汁レシピつきです!
お母さんの、子どもへの切ない愛しさが伝わってきます。おだしからとる、愛情たくさんのみそ汁は、お母さんが子を想う心。それを作るのが母でも子でも、同じです。
ガンで残り短いと知ったら、私ならなにを伝えるかな。そんな風に考えながら読みました。
一人で生きられるようなたくましい子どもに。大人にも、大切なことを伝えてくれる絵本でした。 (みっとーさん 30代・ママ 男の子10歳、女の子8歳)
|