おじいちゃん、今日は何をぬるんだろう?「ぼく」がじっと見ている前で、甘いものが大好きなおじいちゃんは、毎日パンに色々なものをのせて食べている。
こんがり焼いたパンにバターをぬって、イチゴジャムをたっぷり。あんこをのせる時は、きなこもかける。マシュマロをのせるときは、半分に切って軽く焼く。そして…
「なんだ ちびすけ 食べたいのか しかたねえな」
そう言って、ひと切れくれるのです。そうしているうちに、ぼくも成長していき、すっかり大人になった頃…やっぱり、おじいちゃんは「とっておき」の1枚をつくり、食べているのです。
この絵本のみどころは、とにかくおじいちゃんのつくる美味しそうなパン!のせるものによって、焼き方を変えたり、順序がちがったり。量だってケチケチしないでたっぷりと。切り方だって、こだわっている。見ているだけで、パンへの愛着が伝わってきます。この絵本の作者は、コミック『ごはんのおとも』で累計10万部のヒットを生んだ新進気鋭の作家さん。納得の出来上がりです。
それにしても、好きなものに妥協しないおじいちゃんの魅力的なこと。読み終わる頃には、そんなおじいちゃんを見ているのが好き、という「ぼく」の気持ちにすっかり共感してしまいます。そういえば、私のおじいちゃんも毎朝こんがりトーストとコーヒーって決まっていたっけな…。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
おじいちゃん、今日はなにぬるの?食パンを通してつづる、おじいちゃんと ぼくの、やさしくておいしい、パンのおはなし 甘いものが大好きなおじいちゃん。食パンに、毎日ジャムやマシュマロなどの甘いものを塗って食べています。その甘いパンを楽しみにしているのが、まごの「ちびすけ」。このちびすけの成長を、食パンレシピと共につづります。コミック『ごはんのおとも』で累計10万部のヒットを生んだ新進気鋭の作家、たな、初の絵本作品です。
甘いトースト
こんなにもレパートリーがあったんだ!
この季節、
表見返しのリンゴの甘煮にシナモンに食指が伸びます。
裏見返しのバナナにチョコがけは夏の縁日の味がしそうです。
「しかたねえな」っておじいちゃんはなんとも嬉しそうで
ほんとは好きだったソーセージのパンより
甘いパンを食べるおじいちゃんを見るのが大好きだったちびすけ
ちびすけとおじいちゃん
パンに負けないくらい甘い関係。
おじいちゃんの髪が白くうすくなるにつれて
ちびすけは少しずつ大きくなり
手書き文字が次第に整って…
お勤めをするようになったちびすけが
空っぽの椅子を眺める図に
「えっ、おじいちゃん、糖尿病で?」とドキッとするも
旅行でしたか とホッとする。
シャツとソックスの色を合わせたりして
おしゃれなおじいちゃん
早くちびちびすけにも一口わけてあげられるようになるといいね。
ちびすけ妻には「甘いものあげないで〜」って
怒られちゃいそうだけど。 (白井音子さん 60代・その他の方 )
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