ふくろうのおじいさんは、雨降る夜に迷子のひよこに出会いました。 「じいちゃんの おうちに おいで」 と助けてあげるのですが……。 ふくろうのおじいちゃん、とっても心配性。
「ほう……。 こまった こまった たいへんだ」
ひよこがいつかにわとりになったら、早起きだ。 朝が苦手な私でも面倒を見られるかな……
あの子もいつかおかあさんになるかもしれない。 あの子の子どもたちの服も探しておこう……
すてんと転ばないように、そうじもしておこう……
そんな風に、まだ起きていないことをあれこれと心配して、せっせかせっせかと色々と準備していくのです。 その姿はとても滑稽ではありますが……子どもと接する大人たちは誰しも、大なり小なりこのふくろうのおじいさんのような部分があるかもしれないなぁ、と感じました。
この子がのびのびと育つように。 そして、いつか幸せに羽ばたいていくように。
たくさんの「取り越し苦労」をしながらいつも過ごしているのかもしれません。 可笑しいような、切ないような、ちょっと恥ずかしいような。 大人はそんな気持ちにさせられる絵本です。
(洪愛舜 編集者・ライター)
ふくろうじいちゃんのもとに、ある日一羽のひよこが迷い込んできて――MOE読者の心をつかんだMOE創作絵本グランプリ入賞作がついに絵本に!
取り越し苦労が多いふくろうのお話でした。
取り越し苦労はしなくても良いはずだけれど、このふくろうさんに関しては、それが優しさに変わっている印象です。
雨の中で出会った迷子のひよこを家に招き入れ、その子のために何やかやと世話を焼きます。
そして、ひよこが鶏になった時を心配して、色々と準備をしてしまう。
それって、とても優しいことだと思いました。
だからお母さん鶏もふくろうに感謝して、家事を引き受けてくれたのですね。
それにしても、この後はどうなるのでしょう?
案外、みんなで一緒に住み始めたりして。 (めむたんさん 40代・ママ 男の子22歳)
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