群れの頭領「残雪」の賢さから、狩人の大造じいさんは、がん狩りがうまくいかなくなります。ある日仲間をはやぶさから助けようとした残雪を、一度は狙うも逆に助けたのです。そして、「おれたちは また どうどうと たたかおうじゃあないか」と、しとめたくてしかたがなかったはずの相手が、とびさるすがたを見まもりながら、大きな声でよびかけるのでした。狩人と雁の、敵味方の関係をこえた、あつい交わりをえがいたお話です。
編集者コメント 国語教科書(小学校五年生)の共通教材でもある『大造じいさんとがん』。昭和16年に書かれたこの作品は、戦争という死を賛美さえする世にあっても動物に託すことで屈さずに、椋鳩十が「命の重み」をこどもたちに伝えたくて書いた作品です。そのため「生きること」への切実な想いがどこにもにじんでいます。本質を描いた椋作品を低学年からも味わってほしいと、気鋭の画家が全力で絵を描き、絵本化したシリーズの第1作目です。
猟師の大造じいさんとがんの残雪との、緊迫した真っ向勝負が感動的でした。
がんの頭領の残雪の叡知と、仲間を思いやるリーダーシップ、堂々とした姿は、大造じいさんの心をとても真摯なものに変えました。
来年の闘いを楽しみにした大造じいさんでしょうか。
はやぶさと残雪の闘いも圧巻です。
清々しい気持ちで読み終えました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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