
重い病気を抱えるこどもたちの病棟に通い続ける白い犬「いぬのせんせい」のお話です。 「いぬのせんせい」がこどもに寄り添うことで、こどもたちに笑顔が戻り、不思議なことに具合が良くなっていきます。ある日、保健所の検査官がやってきて、病棟への犬の立ち入りを禁止してしまいます。 「せんせい」は病院の外でしょんぼりし、こどもたちはとても寂しがりました。 そんなある日、入院中の小さい女の子の病状が悪化します。女の子は犬を追い出した検査官の娘でした。 「せんせい、おねがい」看護師さんは病院の裏口を開け放ち、「せんせい」を招き入れます。 翌朝、検査官が見舞いに行くと、女の子は目を開けて微笑むほどに回復していたのです。 ロンドンの病院に実在したファシリティ・ドッグの活躍を描いた心温まる絵本です。

主語である”せんせい”は、最初は犬であることは明かされていません。ページをすすめていくと、ようやく白い犬である”せんせい”の姿が現れます。
本文には「セラピー・アニマル」、「ファシリティドッグ」という言葉はでてきませんが、作者と訳者のメッセージからそれが分かり、どんなに重要な活躍をしているのかが短い文章からでも伝わってきます。
自分の子どもがもしこの絵本の子ども達の立場になったら…と考えたときに、”せんせい”の存在がどんなに心強いだろうと思いました。
絵は線が細く優しい色使いでとても綺麗です。テーマ性がある内容ながら優しい言葉遣いの訳です。3歳の娘は内容は理解していなそうですが、しっかり最後まで聞くことができました。 (marimeさん 30代・ママ 女の子3歳、男の子1歳)
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