BIB金のリンゴ賞受賞画家が、1920年代ロンドンの上流家庭の風俗とペローの古典とを見事に調和させた絵本です。
『シンデレラ』というと、グリムのいじめに耐えるけなげなシンデレラ像や、ディズニーに象徴されるメルヘンチックのシンデレラ像を浮かべてしまいますが、ペロー作は他のペロー作を見た後だと、意外なほどにおとなしい、まっとうなお話になっていると思います。
このお話、エロール・カインと同じ内容なのですが、R・イソノチェンティは、背景を近代のお話に切り替えて描いているところが妙な違和感とともに不思議空間を醸し出しているように思います。
車社会になっている時代に、カボチャの馬車はマッチしないように思うのですが、
どちらにしても、絵が楽しめる絵本です。
(ヒラP21さん 50代・パパ 男の子15歳)
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