【書店員が選ぶ絵本新人賞2023大賞作品】
はるさんは、村で一番若いおばあさん。山あいの谷の小さな村にはもう、十人のおばあさんしか住んでいません。「わたしたちに何ができる?」おばあさんたちは話し合って、みんなで千本の桜を植えることにします。
限りある命と、繋がれる想い。過疎の村が時を経て生まれ変わるまでを、大きな視点で優しく描いた物語。
過疎の村を象徴するようなお話です。
若者たちが村を去って、おばあさんが10人だけの村になりました。
残されたおばあさんたちは、村を再生させる夢を語り合います。
そして、人々を呼び戻すために桜の苗木を植え始めるのですが、
100本の苗木を植えたところで、最後に残ったはるさんも一生を終えてしまいました。
はるさんが死んで、残された苗木が桜の花で村を満開にした時、10人のおばあさんの願い、はるさんの描いた夢がかなうのです。
何かを象徴するようなお話に、次第に消えていく過疎の村を思い起こしました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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