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寒い冬の一日が終わるころ、公園の奥に、子どもたちが作ったスノーマンが立っていました。「やあ!スノーマン、おかえり」と声をかけてきたコマドリと、町を歩きまわり、美しい風景を存分に楽しみます。しかし、夜明けが近づき太陽が顔を出すと、スノーマンはゆっくりと溶けていって……。マイケル・フォアマンが亡き友レイモンド・ブリッグズに捧げた、心あたたまる絵本。
確か、『スノーマン』という絵本を読んだことがあったはず、
けれど、なかなか見つからない。そんなはず、ないのだが。
見つからないのには理由があって、
以前はこの絵本、『ゆきだるま』という日本語タイトルがついていました。
今は新装版となって『スノーマン』として出版されています。
世界で一番有名な「ゆきだるま」となった絵本『スノーマン』の作者、
レイモンド・ブリッグズさんが亡くなったのは2022年8月のこと。
だから、この『おかえりなさい、スノーマン』という絵本が
日本で2024年11月に出版された時、少し驚きました。
でも、描いたのがマイケル・フォアマンさんという、やはりイギリスの絵本作家で
友であったレイモンド・ブリッグズさんとの思い出に捧げるという献辞が
最初に記されています。
お話はレイモンド・ブリッグズさんの『スノーマン』を彷彿させるゆきだるまが
こどもたちに手で公園の一角につくられます。
このゆきだるまが、こまどりの声に誘われて、夜のロンドンの街を見て歩きます。
そのうちに、朝がやってきて、陽がのぼるとゆきだるまは溶け始めます。
あとに残ったのは、氷の心臓。
「どんなにときがながれても、きみはえいえんにとしをとらない。」
最後のページに綴られたこんな文章が、
いなくなったレイモンド・ブリッグズさんへのはなむけでしょう。
『おかえりなさい、スノーマン』は「またね、スノーマン」でもあります。 (夏の雨さん 60代・パパ )
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