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むかし、天にあったひばりの巣。悪い黒雲おやじに子どもをふみ殺されたひばり一郎次は弓矢で…。麦になったというひばりの矢の物語。
絵本を開くと、最初に麦の絵が目に飛び込んできます。
「麦は、ひばりが天から射込んだ矢」なんだそうです。
どうしてひばりが矢を射るのか?
それは、黒雲が関係していました。
踏まれても踏まれても伸びる、強い麦。
麦には、ひばりの強い意志が宿っているのかもしれません。
麦の穂が矢羽のような形をしている理由、なんだか納得でした。
この絵本では、ひばりは鳥ではなく、人間の姿で描写されています。
黒雲おやじを倒そうと、一番最初に名乗りを上げた一郎次。
誰もやらなかったことを最初にやろうと決意し行動する姿は、
「半日村」の一平を思い出させました。
余談ですが、ひばりは漢字で「雲雀」と書くんですね。
「むかし、ひばりの巣は天にあった。」という一文があるのですが、
きっと雲に巣を作っていたんだろうな、と想像させてくれました。
斎藤隆介さんの作品にはいつも「勇気」「優しさ」「愛情」「自己犠牲」
といったテーマが盛り込まれており、読むたびにそういったパワーを
いただいているような、気がします。 (どんぐりぼうやさん 30代・ママ 男の子9歳)
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