ちっちゃな赤いトラック、レッドくんは、物を運ぶのが仕事。 たぬきのおじさんに「ゆりかごをうさぎさんのところへとどけておくれ」と頼まれます。 うさぎさんに赤ちゃんが生まれたのです。 そしてゆりかごと一緒に、ふたつの袋も・・・。 「そのふくろには、なにがはいっているの?」とたずねますが、おじさんは 「とってもとってもステキなもの」としか教えてくれません。 中身は謎のまま、レッドくんは走りだします。「いってきまーす」ブッブー。 山をこえ谷をこえ、うさぎさんのうちへ。がんばれレッドくん!
ところがまちにやってきたレッドくんは、落ち込みっぱなし。 スポーツカーのおねえさんに「のろまなんだからー!」と怒られたり ゴミ収集車のおにいさんに「おれたちはいそがしいんだ」とどなられたり。 他の車と自分をくらべて、めそめそが止まりません。 「ぼくは、ちびでのろまで、やくたたずなのかもしれない・・・」
でもね、ちゃあんと応援してくれるひとたちがいましたよ。 クレーン車のおじちゃんたちに助けられ、あと一歩!・・・の、そのとき、「とってもステキなもの」を落とし、あたり一面にばらまいてしまったレッドくん・・・。 もう、レッドくんの目からは涙が垂れっぱなしなのですが(笑) 用意されていたのは、ほのぼのする幸せなエンディング!
作者の宮西達也さんは「自動車のキャラクターで絵本を作ろう」と思った日から一週間、毎朝ファーストフード店に通って、道路側の席に座り、走る車たちを見つめていたそうです。 そのうち車たちの心の声が聞こえてきて・・・その声をヒントに「レッドくん」は生まれたそうですよ。 泣き虫だけど、いっしょうけんめいな、ちっちゃい子。 あらら、どこかの誰かに似ていませんか? 子どもたちが共感する、かわいい車たちの絵本シリーズ誕生です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
みやにしたつやの愉快でかわいい乗り物絵本。 トラックのレッドくんが、たぬきさんの荷物をうさぎさんの家に届けることになりました。 町に出たレッドくんは、スポーツカーのお姉さんに怒られたり、ごみ収集車のお兄さんににらまれたり。 まわりには立派な自動車ばかり。なんだか自分が情けなくなったレッドくん。 無事に荷物は届けられるかな? 速くなくても、力が強くなくても、それぞれが大事な存在であることを、そっと教えてくれる絵本です。
ちっちゃなトラックのレッドくんは、物を運ぶのが仕事です。
今回は、たぬきのおじさんに頼まれて、うさぎさん夫婦の赤ちゃんにプレゼントを運びます。
元気に出発したレッドくん。
ですが色々なところで嫌な目にあい、赤ちゃんのところに着く頃には、すっかり落ち込んでしまっていました。
この絵本のテーマは、人や物事は悪いことばかりではない、ということでしょうか。
落ち込んでめげてしまっている時、助けてくれる人や励ましてくれる人がいれば、頑張ろうという気持ちになりますね。
この絵本は、年齢性別関係なく読んでいただきたいと思える絵本でした。 (めむたんさん 40代・ママ 男の子20歳)
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