ワルターはびんぼうだけれど、リンゴの木を一本だけ持っていました。でも、この木には、まだ一つも実がなったことがなかったのです。隣の庭をうらやみながら、ワルターはベッドの中で祈ります。
「ひとつでいいから、うちのきにも リンゴが なりますように。」
……すると、その願いは叶ったのです!
うんと心を込めましたからね。ある夜、素敵な白い花が一つ咲いたのです。それはそれは大事に丁寧に花の手入れを続けると、やがて花は実になり、ワルターは喜びのあまり飛び回ります。なんて素晴らしい毎日なのでしょう。
ところが。 ワルターが刈り入れ時になっても実を取らないでいると、そのリンゴはどんどん大きくなっていき、やがてとてつもない大きさになり……!?
リンゴの持ち主であるワルターの、たった一つの小さな願いがとんでもない事態に発展し、思いもよらない展開を繰り返していきます。喜び悲しむワルターのまわりの人々も振り回されて大騒ぎ。なんでこんな事になっているのでしょう…この絵本を読んでいる人だって巻き込まれていきます。そして全てが解決し、ワルターが思ったこととは?
ヤーノシュの描く、なんだかとっても不思議な世界。少し不気味な場面が出てきたと思えば、笑っちゃう展開でもあり。一回読んだだけでは全てを掴みきれないお話かもしれません。大人になれば、また違う読み方ができるかもしれません。でも強く伝わってくるのは、ワルターの純粋な感情です。とびまわったり、涙を流したり、そんなワルターの様子はきっと子どもたちの心にも深く残っていくのでしょうね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
貧しいワルターはリンゴの木を一本持っていましたが、実が一つもなりません。「ひとつでいいから実がなりますように」とワルターは願います。その願いは叶って、ひとつだけ実がなりますが、こんどはどんどん大きくなって、巨大なおばけリンゴになってしまいます。ワルターはリンゴを売りに行きますが、大きすぎるリンゴをののしってだれも買ってくれません。そこへ王様からの命令が。おそろしいリュウへの贈り物に、おばけリンゴを差し出せと言うのです。はたしてワルターとリンゴの運命は……。
ヤーノッシュさんの絵にひかれ、読みました。
絵もお話も素敵でした。
リンゴを育てるワルターさんがとても味のあるおじさんに感じました。
ワルターさんの育てるリンゴの木にはちっとも実がなりません。やっとひとつだけ育ったリンゴの実はとてつもない大きさなのです。
たんたんとしたお話なのですが、王様がでてきたり、竜がでてきたりと、外国の童話らしいお話だと思います。
ワルターが実はリンゴが嫌い、ってのはなんだか愉快でした。 (おうさまさん 40代・ママ 男の子4歳)
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