おばあちゃんのたんじょうび
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おばあちゃんのたんじょうび

  • 絵本
原作: くすのき しげのり
文・絵: いもと ようこ
出版社: 佼成出版社 佼成出版社の特集ページがあります!

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作品情報

発行日: 2010年12月05日
ISBN: 9784333024681

出版社のおすすめ年齢:3歳〜

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出版社からの紹介

 おばあちゃんの誕生日に、ママが焼いたクッキーを届ける途中、ついつい自慢して、友だちのきつねやおおかみにクッキーを分けてしまったミミー。残り少なくなったクッキーを見て、「もう誰にも会いませんように……」と思っていたら、おなかをすかせたクマのおじいさんと出会ってしまいます――。
 相手を思いやる孫娘の優しさを知って、おばあちゃんがかけてくれた言葉とは……?

<ポイント>
・やさしさが伝わってきます
・自分の気持ちと正直に向き合うことの大切さ
・家族のあたたかさ
 
<おうちのかたへ>

「無償の愛」こそ最高のプレゼント  教育評論家・尾木直樹
 私たちは日々、むやみに子どもたちに「ごほうび」目当てに頑張らせていないでしょうか。「宿題終わったらオヤツあげるね」「お掃除手伝ってくれたら百円あげる」などと、あの手この手で仕向けます。
 子どもは純粋です。そう言われれば、オヤツやほしい物、お金目当てに、せっせと宿題をやり、勉強し、お手伝いするようになります。
 でも、子どもが本来持っている素直な心、動機とは、どんなものでしょう。「お母さんを助けてあげたい」という思いやり。「わかるようになるって楽しい」「もっと勉強ができるようになりたい」という探究心や向上心。そんな純粋な心、動機があるから、頑張るのではないでしょうか。
 そんな素敵な心をつぶしてしまい、物ほしさに頑張るようにしているのは大人のほうなのです。ミミーが次々とクッキーをあげてしまう行為は、他者への無償の愛≠ナす。目当てがあったからではありません。
 まずは、ウルフやコンコンがクッキーを食べてみたいと言ってきます。ウルフは、弟たちにもあげたいと。ミミーはお母さんの手作りクッキーがとびきりおいしいことを知っています。だから、お友だちにも食べてほしい、と素直に思い、少しためらいながらも分けてあげるのです。
 次に、腹ペコで元気のないくまのおじいさんに出会います。ここでミミーは、迷った末に、今度はおじいさんを助けてあげたい、という気持ちから、自らクッキーを差し出します。もうクッキーはなくなってしまうのに……。
 おばあちゃんは、ミミーにこんな無償の愛≠フ優しさと力強さが育っていることを、心からうれしく思います。自分の誕生日のプレゼントよりも。そして、ミミーを抱きしめ、その気持ちを伝えるのです。
 おばあちゃんに抱きしめてもらって、ミミーも、自分の気持ちや行動は正しかったんだと安心し、誇らしかったに違いありません。

<編集者から>
おしゃまなミミーちゃんが、とにかく可愛いのです! ママのクッキーを自慢したばっかりに、友だちに分けることになったのに、今度はおなかをすかせたクマのおじいさんに出会ってしまって……。溢れそうになる気持ちを必死で抑えて、おばあちゃんの家にむかうミミーちゃんの気持ちが、自分の幼少時の記憶と重なって、涙が出ました。

おばあちゃんのたんじょうび

おばあちゃんのたんじょうび

ベストレビュー

自分を偽らず真実を語れる人で・・・

 ん〜、感動!
 ミミーちゃんの優しさ、おばあちゃんの包容力、素敵です。

 ミミーちゃんへ、クッキーをねだったお友だちの中にも、弟たちやお母さんにも食べさせたいという優しさ、くまおじいさんの遠慮がちな言葉の中にも優しさを感じました。

 この作品は、最後のおばあちゃんの言葉が、全てを語っているのでしょうが、私は、ミミーちゃんが、おばあちゃんへのプレゼントのクッキーを全てあげてしまい、おばあちゃんへのプレゼントがなくなってしまった時に、家へ戻らずおばあちゃんへ涙ながらに告白できたページが好きです。
 
 とかく大人はあれやこれやつじつまを合わせる対処を考えるでしょうが、ミミーちゃんはまっすぐおばあちゃんへ事の成り行きを伝えています。
 息子は、いったい何時ごろまでこんな可愛い真実の伝え方をしていたのかしら?
 この頃は、あれやこれやと自己弁護に忙しく、これも成長と見るべきか?と戸惑う事が多くなってきています。

 いくつになっても、自分を偽らず真実を語れる人であって欲しいと、欲張りなはははこの作品を読み感じ入りました。
(アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子12歳)

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