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アイデアの斬新さに脱帽です
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投稿日:2015/11/23 |
赤、青、黄色の3つの○が目に鮮やかな表紙。何となく「あおくんときいろちゃん」をイメージして、いろいろな色が出合って、色を混ぜたりするタイプのお話かな?と思っていました。でも、この絵本のアイデアは、そんな私の想像をはるかに超えて、群を抜いていました。
この絵本は、仕掛け絵本・・・といっても、従来の仕掛け絵本と聞いてイメージするものとは全く異なるタイプ。絵本に書かれているシンプルな指示内容から、読み手、聞き手を巻き込んでいく壮大なスケール。このアイデアを絵本にしようと思いついて形にした作者はとてもユニークな人なのだろうと思いました。
「○をクリック」「本をゆすろう」といったページに書かれている指示に従うと、次のページではあら不思議。カラフルな○が様々に変化して、読み手、聞き手の目を楽しませてくれます。
「次は何をするのかな?」「それをしたら次のページで○はどうなっているのかな?」
思いがけない変化も楽しいし、想像通りだった時も「やっぱりね」って嬉しくなるし、興味津々、こどもたちが夢中になること間違いなしですね。
こどもたちに読み聞かせをしていると、静かにお話をきいてくれるのも嬉しいですが、みんなが一緒に絵本の内容に参加できて、次々に起こる予想外の展開に盛り上がって、次は?次は?ってどんどん夢中になれるお話って、そう多くはないものです。
普段の読み聞かせとは違って、クリスマス会など特別なイベントの時、大型絵本なども使う園児さん対象の読み聞かせの時などに最適な本だと思います。
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息子へ、だいすきだよ
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投稿日:2015/11/23 |
『ぼくね おかあさん だいすき』と言ってくれる坊や。
どのページも、現実のおかあさんが怖い顔や厳しい表情でいう事を、
次のページでこんなふうに言ってくれたなら、『ぼくね もっとおかあさんのこと だいすきだよ』と返す坊や。
最後は、しかってばかりでごめんね、と反省するおかあさん。
『ちゃんとしなさい!』、『はやく!はやく!』、『なにやってるのだめね!』、
『いいかげんにしなさい』、『しょうがないわね!』、『いつもそうなんだから!』、
『いそいで!ぐずぐずしないで』、『なんかいいえばわかるの!』・・・。
息子へ
ごめんね。本当に、本当にごめんね。この絵本に出てきたおかあさんの厳しい言葉の数々。ああ、このうちのどれだけの言葉を、何度あなたに、きつい口調で投げかけてしまったことでしょう。
あなたもきっと、この絵本の坊やのように「こういう言い方をしてくれたらぼくの気持ちも晴れるのに」と何度も思ってきたことでしょう。それでも黙って、小言の数々を聞き流してくれていたのですね。これからはもう少し、言い方に気をつけます。
時々、ふとあなたのことがとても心配になって「笑顔が見られたらそれで十分」「無事でいてくれたら、ただそれだけでいい」と思うくせに、普段はつい、小言ばかりですね。
本当にごめんなさい。
あなたのことがだいすきな気持ちは、ずっとずっと変わりません。いつもあなたの成長を傍らで見守っていけることをとても楽しみにしています。これからもよろしくね。
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子どもに伝えたい
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投稿日:2015/09/25 |
日本の秋から冬の伝統行事について、その行事が持つ意味や行事の行い方、派生的なミニ知識まで、可愛い動物のキャラクターと一緒に、丁寧に説明され、描きこまれています。
今はいろいろな季節の行事を、とかく端折りがちですが、自分が小さい頃は、こんな行事もあったなあと懐かしく思い出します。
四季折々に日本に古来からある植物や旬の野菜の紹介があったり、長寿をお祝いするそれぞれの年齢の呼び方の説明があったり、七五三の着物の着付けの小物の呼び方の解説があったり、ページをめくるたびに「ふうーん、そういう訳なんだ」「そういう名前なんだな」と納得することばかりです。
最近、四季を感じにくい気候になってきて、日本の伝統的なものを子供にも伝えていきたいと思っても、なかなか体験を伴って子どもに肌で感じ取らせることが難しくなってきているように感じます。こういう絵本があると、子どもも絵を見ながら、想像を膨らませることができると思うので、日本の古き良きものはできるだけ伝えていきたいですね。
春夏版と2冊セットであれば、1年を通してすべての行事がよくわかり、お友達にもいろいろ説明をしてあげられるかもしれません。
大人でも知らなかったこともあり、親子で読むと、ちょっとした百科事典感覚で、日本の秋と冬の色々なことが楽しめると思います。
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報われない悲しさ
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投稿日:2015/09/25 |
猫の事務所、事務長は大きな黒猫。部下の一番書記は白猫、二番書記は虎猫、三番書記は三毛猫、そして四番書記は竃猫。
書記はどの猫も就きたがるあこがれの職業で、竃猫は一生懸命に職務に取り組みます。仕事ぶりは立派で、他の猫たちとも仲良くしたいと思っています。なのに何をしても間が悪かったり、どういう訳か空回り、どころか逆効果。ほかの猫たちは、竃猫がいつもすすで汚れているという外見上の理由で、竃猫のことを心底嫌っているようです。
事務所長は当初、大きなもめ事にならないように、話題をそらしたり、仲裁に入ったり、なんとかその場を収めてくれていたのですが、果てには竃猫が職場を休んだ日に、あらぬことを事務長に告げ口されて、事務長の機嫌まで損ねてしまいます。もう八方塞がり。体調が回復して翌日に出勤しても竃猫の居場所はどこにもありません。
猫たちの仕事も宮沢賢治らしい言い回しで役に立つ大事な仕事であるような、無いような・・・。獅子に解散を命じられ、事務所はいきなり廃止になるのですが、竃猫の悲しみは果たして癒されるのか?ハッピーエンドでないだけに、いろいろなとらえ方があるのでしょうが、子どもたちはこのお話を聞いてどんな風に感じるでしょうか?
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軽快なリズム感
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投稿日:2015/09/25 |
恭一が月夜の晩に出会った不思議な光景、それは電信柱達の軍隊のような行進でした。大きな電信柱が等間隔で行進を続ける様は圧巻。挿絵がその様子を一層印象深くしてくれます。
電気総長はどれほどの電気を操ることができるのか、不気味な存在ですが、電信柱の秘密の行進は、誰にも見られてはいけないので、汽車の気配がしたら即終了。何とも不思議な世界です。
「ドツテテドツテテ、ドツテテド」という行進のリズムが小気味よく、お話の筋を追っているうちに、耳慣れてきます。風の又三郎でも「どっどど どどうど どどうど どどう」という擬音語が効果的ですが、宮沢賢治の真骨頂といったところでしょうか。
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こどもたちの旅立ち
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投稿日:2015/09/25 |
かあさんであるいちょうの木のもとを離れて、いちょうの実であるこどもたちが旅立つ前夜から旅立ちの瞬間までを綴ったお話。
及川賢治さんの挿絵のいちょうの実は、「こんなに幼かったら、準備も大変だし、かあさんもいろいろと心配だよね。」と納得のいくあどけなさ。みんな揃って出発するにしても、持ち物や、心構えや、何かと気になることは山のよう。
木から旅立つ・・・というと「葉っぱのフレディ」を思い出しました。フレディは木の上でもっと多くのことを経験してから落葉になるので、子どもたちの感覚とはまた違いますが、木の葉も木の実も一つ一つに気持ちがあるのなら、自分の未来を案じたり、いろいろなことを想像してその時が来るのを待っているのでしょう。
旅立ちは喜んで見送ってあげたいけれど、こどもたちの身を案じるおかあさんは、悲しみのあまりに素敵な扇形の金色の髪をすべて落としてしまっていました。
自然の営みは時に厳しいものなのですね。無情に実を落とす強い北風と、そんなこどもたちやかあさんの気持ちを思いやって照らし続けてくれるお日様が対照的でした。
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絵で魅せる
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投稿日:2015/09/25 |
田島征三さんは、「猫は生きている」「ちからたろう」など、大胆な構図でドンと描かれる人や動物が印象的です。
些細なことで、一番を争うどんぐりたちに業を煮やしたヤマネコが一郎に助けを求めるお話。どんぐりの背比べとはよく言ったもので、どれも似たり寄ったり、大差ないように感じますが、どんぐりたちにとっては、どんな特徴のあるどんぐりが一番偉いのかは大問題。
子どもが幼稚園の頃に、どんぐりをたくさん拾ってどんぐり銀行に持っていきましたが、どんぐりと一口に言っても、木の種類が違えば本当にいろいろな特徴があり、また同じ種類でも、大きさや、とがり具合など確かにいろいろだったことを思い出しました。
それぞれの特徴があればこその個性、「こういう特徴が一番!」と決めてしまっては身もふたもないわけです。はてさて、助言を求められた一郎の裁定は・・・。大岡裁きのような小気味よさでした。
わいわいがやがや収拾がつかないどんぐりたちに、一喝するヤマネコ。田島さんの描く猫ならではのド迫力。
ストーリーもわかりやすく、小さな子どもから楽しめる絵本だと思います。
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本当に大切なもの
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投稿日:2015/09/25 |
虔十(けんじゅう)は、いつも笑っていて、周りから、少し知恵が足りないと思われています。そんな虔十が杉苗を700本、親にねだって家の裏に植えました。
笑われようと馬鹿にされようと、懸命に杉の苗を育てる虔十。冗談半分に言われた枝打ちも真に受けて、林のようになってしまいますが、そこは子どもたちにもってこいのあそび場になりました。子どもたちの遊ぶ様子を嬉しげに眺める虔十。
隣から木を切るように迫られた虔十は頑としてその要求を断り、身をていして林を守りますが、その後病気で若くして亡くなってしまいます。
そして20年の歳月が流れ、村には昔の面影はこの子どもたちの遊び場以外にはどこにもなくなってしまいました。 ある日この村出身の博士が里帰りをして、この林を見て子供の頃を思い出します。そしてこの遊び場の大切さに初めて気づいて、この林を虔十公園林と命名し、子供たちのために永久に保存することを提案します。
自然を壊すことは簡単ですが、元に戻すことはとても難しいことです。ふと、「木を植えた男」を思い出しました。黙々と育て続けることの意義深さ、何も見返りを求めずコツコツ努力することの大切さ、そういったものを神仏が見届けていて、ほんとうのさいわいをもたらしてくれるのだと思いました。
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おどろおどろしさ満載
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投稿日:2015/09/25 |
お話は、教科書にもよく取り上げられているので宮沢賢治の代表作として、どなたも良くご存知のもの。・・・となると、絵本の醍醐味は挿絵が物語の世界観とマッチしているかどうかにかかっています。
スズキコージさんの絵は、黒が印象的に使われていて、版画のような影絵のような何となくレトロな雰囲気で、お話にとてもよく合っています。表紙に描きこまれた様々なモチーフは、お話の中で重要なカギを握るもの。山の中奥深くっ分け入ったところにある山猫軒は、摩訶不思議な世界。二人の紳士は自分たちの身に危険が迫っていることも知らずに、その不気味な店の中をどんどん進んでいきます。
山猫軒のおどろおどろしい雰囲気を上手に醸し出したスズキさんの絵と一緒に読み進めると、そのスリルが十二分に味わえます。扉に書かれた注文通りに、能天気に進んでいく紳士たち。そののんきさとは裏腹に「この二人の解釈はなんか違うんじゃないの?」と思い始めてからの、読み手(聞き手)にじわじわとくる戦慄の高まりは、世代を問わず楽しめることでしょう。
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相手を思いやることの大切さ
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投稿日:2015/08/18 |
ビーバーのバークリー君はお母さんと二人暮らし。二人ともお互いを思いやって生活していて、今はもう会うことのできないパパのことを二人とも大切に思っています。
海にメッセージを付けた舟を浮かべるのは、風船にメッセージをつけて飛ばしたり、ボトルに手紙を入れて川や海に流したりするのと似ていますね。どこか遠くの人に渡って、手紙を読んでくれるかな。返事を書いてくれるかな。小学校の頃、風船にメッセージをつけて飛ばしたので、それを懐かしく思い出しました。返事が返ってきたらクラス中で大騒ぎしたものです。
どこか遠い所から流れついた流木でつくった舟は、パパへのメッセージをのせて、今度はどこまで浮かんでいくのだろう・・・。きっとパパにメッセージは届くよね。舟が戻ってこなかったら、パパがうけとってくれた証拠だと考えたバークリー君は、せっせと舟を作りはじめます。
ママと一緒に、何か特別な日には舟を作ることにして、いくつもいくつも舟を作ってきたバークリー君。一年たって、ママが舟をひろいあげていたことを知ってしまいます。
バークリー君、きっとがっかりしたよね。でも、パパに届いていると信じているバークリー君の気持ちを壊したくなくて、ママが黙ってしてくれていたことなんだよね。
そんなママへバークリー君が伝えた気持ち。バークリー君の対応が、とても大人で、ママの気持ちを思いやる優しい心を持った少年になったのだなあと、感動します。
家族って、身近にいてくれることが当たり前すぎて、時として一時的な感情を、相手に思いきりぶつけてしまいますよね。でも、お互いを大切に思うなら、相手の気持ちや行動の真意を思いやることが大事なのだなと思いました。
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