森の中に、とてもかっこいい木がありました。
ぐんとのばした枝、するどい葉っぱ、ツルツルピカピカのはだ。 百さいになるというのに、いつでもどうどうとしています。
けれども木は、そんな外見からはわからない、さびしい思いを していました。
それは、ひとりも友だちがいないこと。
こんなにかっこよくしているのに、どうして友だちができないの・・・
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作者が小学6年生のときにこのお話を書くきっかけとなったのは、 新聞に掲載された「いじめ」の特集記事でした。
なぜ、いじめがこんなに多いのか?なくなることはないのか? と考えつづけていました。
そして、小学校の6年間をとおして、自分の周りに「いじめ」が なかったのは、常にありのままの自分をだせて、ありのままの仲間 をうけいれる・・・当たり前のことだと思っていたことが、実は難しく、 そして大切なことでした。
「 つかれたときは つかれたように ツライときには ないたっていいんだ」
樹齢百年の老木を通して、ありのままの姿で生きることの大切さ が語られるお話です。
作者12歳!ってことに、ただただ驚かされました。
とても深いお話です。
自分をよく見せようと飾ることに一生懸命で頑張りすぎていた木が、百年たって孤独に気づくというお話です。
「飾らず、ありのままの自分を見せればいいんだよ」というメッセージが真っ直ぐに伝わってくる作品でした。
12歳の作者もきっと悩み苦しんだことがあって、このような見解に達したのでしょう。
だからこそ作品に記し、力強いメッセージとなったのでしょう。
作者と同じ年頃の子ども達に読むと、いいのではないでしょうか?
きっと多くの子の胸に、痛烈に届くはず☆ (カトリーヌみどりんさん 30代・ママ 男の子7歳、男の子2歳)
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