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明日は、妹の誕生日、お祝いの準備に忙しいママとグローリアを見ると、フランシスは拗ねてしてしまいます。けどやっぱり、可愛い妹にプレゼントを考えます。
ケーキに2本ろうそくがたっているところを見ると、あかちゃんだったグローリアももう2才になったんでしょうか。
3才半はなれた姉がいた私にとって、なぜ姉があんなに意地悪だったりかんしゃくをおこしたりするのか、まったくもって理解できなかったのですが、フランシスの絵本を読んでいると、ひとりっこでお母さんもお父さんも、お家のなかのものもみんなの注目もなにもかもが自分のものだった生活が一変して、さもあたりまえであるかのような顔をして両親の手をわずらわせ、みんなに保護され、ゆずってもらえてあたりまえの顔をしている「妹」という存在にさぞ気持ちをかきみだされたことだろうな...と思うようになりました。
自分にだってお誕生日はあるのは知ってる、でも妹が特別扱いされてるのは我慢できない、でもお祝いはしてあげたい、と、たくさんの「本音」の間で揺れるフランシス。不安定なフランシスの発言や行動を、お母さんは無視するでもなくとがめるでもなく、実に公平な態度で見つめています。
グローリアの誕生日当日も、きれいに準備されたテーブルや、呼ばれた友達の持ってきたプレゼントなどを目にしてフランシスの心はまた、意地悪なほうへと揺れます。おたんじょうびの歌をうたうとき、こっそりと自分の名前で歌ったり、用意したプレゼントをあげないことにしたり。
でも、グローリアの「おねがいごと」が、『フランシスがやさしくしてくれますようにっておねがいしたの。あたしもいじわるしませんからっていったの』だったと知り、フランシスは「やさしいおねえさん」のほうの本音をとりもどすのです。
妹だっていじめられたり、ケンカしたって必ず負けたり、辛い事はたくさんあるものです。でも、もとは自分のものだったはずのものをほとんどすべて共有しなくてはならなくなった「おねえさん」というのは、本当にものすごい葛藤と戦わなくてはいけないんだなぁと、しみじみ思いました。 (サラミさん 20代・ママ 女の子3歳)
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