絵が語る、文を声にする、初めての美しい民話絵本 松谷文学が近年取り組んだ本書は、声の道しるべになっていて、アジアの心と日本語の雰囲気をとても大切にしながら筆を進められました。アジアの一員として生きる子どもたちに伝えるために、声を出して読んでいただく「音読絵本」です。 みんなが心の支えとして民話を語り、優しさの原点を知ります。21世紀の幕あけは松谷みよ子の可能性豊かなアジアの心の扉が開かれます。
オリーブさんは明るくステキなフィリピン女性。農家の嫁不足ということでアジアに求められてはるばる日本にやってきました。結婚して3人の子どもに恵まれるのですが、だんだん暗い影が忍び寄ります。祖国の民話をたくさん覚えていたオリーブさんは民話の集いやこの本の出版により、明るさを取り戻し、交流もできて心の支えを得るのですが、国際結婚の難しさをしみじみと味わいます。
フィリピンの民話なのに、山形の方言で語られていることに不思議さを感じました。
国際結婚したオリーブさんならではの語りですが、母国を思うオリーブさんの精神的なご苦労もうかがえて、しみじみとしてしまいました。
「バナナ」の話とか、「嘘つきピランド」とか、今まで聞いたことのない独特な民話が選ばれたのは、オリーブさんの思い出すフィリピンだからかもしれないと思ったりもしました。
どのお話も興味深く、日本の方言で語られるだけに親しみが持てます。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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