絵が語る、文を声にする、初めての美しい民話絵本 松谷文学が近年取り組んだ本書は、声の道しるべになっていて、アジアの心と日本語の雰囲気をとても大切にしながら筆を進められました。アジアの一員として生きる子どもたちに伝えるために、声を出して読んでいただく「音読絵本」です。 みんなが心の支えとして民話を語り、優しさの原点を知ります。21世紀の幕あけは松谷みよ子の可能性豊かなアジアの心の扉が開かれます。
チュさんは台湾で看護婦さんをしていましたが、青春にありがちの暗い影を背負って日本にきました。元々がんばりやさんのチュさん。日本人と結婚して双子の子どもに恵まれましたが、夫はある日失踪します。しかし、志を捨てず、りっぱに異国の中で一人で子どもを育て上げました。心の支えに民話があります。民話により祖国を語り、仲間たちと明るく強く生活しています。
台湾が親日であることを感じさせるような、親しみの持てる民話集です。
異文化でありながら、テーマに日本と共通部分を感じ、日本の昔話に共通する類似性も感じられて面白く読みました。
特に「かしこい末娘」の展開では、既読類話が気になりつつ、おむこさんが耳にした言葉たちが、奥さんの実家では見事にアレンジされていることに、素晴らしさを感じました。
台湾国籍の日本の母親という、語り部のチュエイシュウの異文化間の架け橋ですね。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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