トディには、他の赤んぼうとなにも違うところはなかったーーただひとつをのぞいては。 「ただひとつ」というのは、トディは、大きな大きな、すっごーく大きな赤んぼうだったということだ……!
小さな体でも、家族みんなをふりまわすくらいエネルギーがあるのが、赤ちゃんというもの。そのビックな存在感がある赤ちゃんが、もしも信じられないくらい大きかったら……!? みんな思わず笑い出す、ユーモアたっぷりの絵本。
お姉ちゃんが、弟トディのお誕生から、1歳過ぎまでの成長を紹介してくれるお話です。
話(文章)だけを聞けば、
「そうそう、赤ちゃんの頃はこうだったなぁ。」と微笑ましいのですが、
絵を見ると・・・いくらなんでも、スケールが大きすぎでしょ!
新生児なのに、あまりにビックサイズのトディ。
退院の交通手段はトラックの荷台だし、
靴下を編んであげたおばあちゃんは、腱鞘炎になっちゃったみたい?
お座り、初めての歯、初語、あんよ・・・。
発達過程の特徴を見事に捉えて描かれたトディは本当に可愛らしいのですが、
周囲を見れば・・・たいへーん!
細部までユーモアたっぷりの絵とサブストーリーに、息子はケラケラ。
でも、私の一番のお気に入りは、ホッと和む最後のページの絵です。
トディほど大きくなくたって、赤ちゃんのお世話は大変だし、振り回されるし、消耗する。
悪気がないと分かっていても、怪獣みたいに思えるときもある。
それでもやっぱり、愛おしい。
だから、なんとか明日も頑張ろう。
あの頃の、そんな気持ちが思いだされて、ジーンとしました。
頼もしい「バートおじさん」を始め、両親だけじゃなく、みんなで育児しているのも、いい感じ。
赤ちゃんが身近にいるお子さんや、
まさに奮闘中、またはちょっと一息ついた頃のお父さんお母さんにもおすすめしたい、
楽しくてハートフルな作品です! (ランタナさん 40代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)
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