これといって名物のない、静かで退屈な村。そこにあるのが小さなチョコレート屋。お客はめったにきません。笑うことを忘れてしまったおじいさんがチョコレートをつくり、ねずみを捕らないねこがショーウィンドウから外を眺めているのでした。
そんなある日、ふと思いついてつくった“ねずみのチョコレート”をねこがかじってみると…なんておいしいのでしょう!心がうきうきはずんで、ひげと前足が勝手に動いてしまうほど。 「こんなにおいしいんだもの、だれかに、食べてもらわなくちゃ。」 そこで考えた計画とは……?
ねこの機転と“ねずみのチョコレート”のちょっとした魔法によって生まれる、生つばゴクリの美味しそうなチョコレート作品の数々。チェリーボンボン、チョコレートロールケーキ、ホットチョコレートにチョコレートファウンテン…。村の人たちも、だんだんこのお店のチョコレートに夢中になっていきます。ところが、おじいさんはまだ笑わないのです。この気むずかしいおじいさんの心を溶かすのは、いったい誰だったのでしょう。
チョコレートの魔力と美しさが凝縮されたこの絵本。作者は『サンタクロースのしろいねこ』を手がけたコンビ。主役のねこは愛情たっぷり描かれ、その感触まで伝わってくるほどです。巻末にはチョコレートの解説も付いて、チョコレート好きにはたまらなく魅惑的な一冊になっています。
ああ、チョコにたっぷりと浸っているマンゴーの絵ときたら……。
(絵本ナビ編集長)
古ぼけたチョコレート屋に気難しいおじいさんとねこがすんでいました。ある日、ねこがおじいさんが作ったチョコレートねずみをかじってみると……あまりのおいしさにびっくりしました。だれかに食べてほしいと思ったねこが考えた計画とは……?巻末にチョコレートの解説付き。
おしゃれで、それでいて、なんとも美味しそうな絵本です。チョコレート屋のおじいさんが作るチョコが美味しそうなんです。
でも、このおじいさん、笑わないんです。
チョコレート屋のねこが、おじいさんを笑わせようと、奮闘する姿におじいさんへの愛を感じました。
しかし、おじいさんが作ったネズミのチョコは、まほうのねずみなんでしょうね。 (tori.madamさん 30代・ママ 女の子7歳、女の子4歳)
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