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ある日、女の子が紙におひめさまの絵を描いて、きりぬきました。とってもすてきに描けたのに、風が吹いてきておひめさまはとばされてしまいます。思いがけない冒険をすることになったおひめさま。はたして女の子にまた会えるでしょうか? 本のさいごに、自分で作るおひめさまの下絵つき。
おんなのこが、なんのイメージにも頼らず、
自分の手で生み出した、世界にただひとりのおひめさま。
そのことがまず、感動的だなぁ、と思います。
たとえば、ディズニーのプリンセスは素敵だし、
自分がこどもの時にも、確かに夢中になったのだけれど、
これだけ圧倒的な流通力で世の中に出回られてしまうと、
こどもには、完成されたものの魅力ばかりに慣れてほしくない…
そう思いながら、5歳の娘にそっと差し出してみました。
とても気に入ってくれました。
細やかに描きこまれたディテールにもしっかり目をやって、
「わたしならこのおうちに住む!」などと
本筋とはちがった冒険をも楽しんでいたようです。
お話が終わってから、巻末のおひめさまの型紙で、しっかりお姫様を作りました。
想像力をいたく刺激する一冊だと思います。 (レインドロップスさん 40代・ママ 女の子4歳、男の子2歳)
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