ワーリーっていうのは、ラーメン屋さんのテーブルに必ず並んでいるあの「割り箸」です。 この絵本は「割り箸」が主人公なのです。
「割り箸」でそんな面白い話が展開するの?
そこは心配ご無用。なにしろ作者はシゲタサヤカさんです。 シゲタさんの手にかかれば、ユーモアとドラマはいたる所に転がっているのです。
さて、ワーリー。ラーメン屋さんで並んでいる「割り箸」の中で誰よりもやる気いっぱい。 「おーい!早くぼくを使ってよ。」 だけど、なかなか使ってもらえません。 「もういいよ!こんな店出てってやるよ!」 ワーリーは飛び出していってしまいます。 向かった先はおすし屋さん、レストラン、だれかのおうち。 かしこい皆さんは薄々お気づきの通り、なかなかワーリーを使ってくれる人に出会うことができないのです。 そこで仕方なく・・・。
他の「割り箸」よりも、ちょっとやる気に満ち溢れていたばかりに、普通ならありえない大冒険をすることになってしまったワーリー。(ちょっとあせりすぎたかな)、たくさん歩きながらワーリーは色々なことを考えたはず。ワーリーの幸せは一体どこにあったのでしょう。 「パッキーン!」 割り箸のクライマックスとも言えるこの音を、ワーリーは鳴らすことができるのでしょうか。
思いもよらないところから始まるドラマ。 そして想像もしたことないほど、表情を持っている「割り箸」たち。 突然やってくるオチ。 異世界のことだと思って大笑いをしてしまうシゲタさんの絵本ですが、日常生活の中でふと場面を思い出してしまうところもまた彼女の作品の不思議な魅力なのです。次にラーメン屋さんに入った時には、きっとワーリーの「あせり」を思い出さずにはいられなくなっているはずなのです。 それにしても、「割り箸のやる気」と言えば「すぐに使ってほしい」ことなんですね。やっぱりシゲタさんって面白い。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ワーリーはラーメン屋さんの割り箸です。早く使ってほしいのに、なかなか使ってもらえません。お寿司屋さん、レストラン、だれかのうち… 使ってもらおうと、訪ね歩きますが、だれも使ってくれません。しかたなく、元のラーメン屋さんにもどると…。
ラーメン屋さんにいる割り箸のワーリーは
なかなか使ってもらえないことに業を煮やし飛び出して
自分を使ってもらえる場所を求めてさまよいます。
果たしてワーリ-の願いは叶うのでしょうか?
ワーリ-の求めている幸せはいったいどこに? (ぱっさんさん 50代・パパ 男の子10歳、女の子5歳)
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