松谷みよ子さんの本の勉強をしました。
松谷みよ子さんの特定の本しか読んでいないことに気づいて、この本を手にすると先に読んだ方から「怖い話だけど、最後はほっとするようなところが松谷さんらしいって思いました」という感想を聞きました。
確かにとても怖い昔話の一つだと思います。元々は語りでしょうから、怖い話も語り手との信頼感の中で聞けたのかも。
人間の業というのか、変えられない気質に苦しむというか、山おとこの不器用さが気の毒にさえ感じました。
うそをつかなかったことのない人はいないでしょう。ここに出てくるお月とお星も自分の身を守るために嘘をついたのでしょうし、やむを得ずうそをつくこともあるはずです。
うそを許せない潔癖さはこの世界では生きる折りあいがつけられないことにも通じそうです。
裏表紙の山おとこの涙がその哀切さを物語っている気がしました。