うっかり、2作目を読まずに3作目を先に手にしてしまいました。
つるばら村のくるみさんは、2作目で自分のお店を開いてしまったようです。
順風満帆にパン屋の仕事が軌道に乗っているかに見えていましたが、
3作目に来て、強力なライバルが登場します(町の大手のパン屋らしい)。
おっとり、のんびりしているくるみさんも、この巻の前半はライバル店を意識して、ちょっとキリキリしています。
でも、後半になると、ライバル店のことを気にしつつも、いつものマイペースなくるみさんに戻って、森の生き物たちからちょっと変わったプリンパンの極意を教わったり、猫のニボシにいいようにからかわれたりしています。
中村悦子さんのイラストが「つるばら村」のイラストが、とってもイメージに合っていて素敵でした。
猫の「ニボシ」いいですね〜。口ばかり達者で、大したことはしないけど、おいしいトコを上手にとっていっちゃう。可愛いです。
字の大きさも、行間も、子どもたちにも読みやすい大きさになっていると思います。
作者はくるみさんが自転車に乗って、行動したり、パンの売れ行きが悪いと落ち込んだりするリアルな部分を描きつつ、
くるみさんのところにやってくる森の動物や不思議な生き物たちが、普通に人間と話をしたりする所を描いたりしていますが、
そこが違和感なく読み手に伝わってきます。
私も、今更ながらシリーズを読み始めて楽しんでおります。小学校中学年くらいから、大人まで楽しく読めるファンタジーだと思いますので、興味のある方はぜひ、読んでみてください。