前にこの作品の通常版の方は読んでいましたが、大型版があると知り、図書館で借りてきました。
1ページ1ページの人の「怒っている人の顔」が大きくはっきり見え、その分通常版で読んだ時より、1つ1つの言葉がずしんと胸に伝わってきたような気がします。
この作品は1つの哲学だと思います。
「ぼく」が“怒られる”ことを嫌がって、一人ぼっちの世界に逃れるものの、やはり《一人ぼっちは寂しい》とこちら側の世界に戻ってくる。
それから、「怒る」ことを改めて突き詰め、「怒らない人になりたい」と考える。
長谷川さんはとても難しいテーマをものすごく簡潔に、子どもたちにも伝わる形で見せてくれていると思いました。
「いやなこと」には蓋をしたい。目をつぶってしまいたい。でも、逃げてばかりいないで、受け入れて理解して、ぶつかっていくことも大切なんじゃないか。という気にさせてくれた作品でした。
文は短く主人公は小学校低学年くらいの男の子だったので、低学年くらいのお子さんからでも、読み聞かせには使えると思いますが、
この哲学的な意図を理解できるようになるのは、小学校高学年くらいから、中高生くらいの子どもたちだと思います。
もし、中高生のお子さんたちに読み聞かせをする機会があったら、この「おおきな絵本」で、ぜひ一度読んでみたいです。