上下巻合わせると500頁以上になる大作です。
ようやく読み聞かせ終わりました。
ノアの箱舟が出てくる時代に遡るとても壮大な物語で、解説によると、戦争がロフティングの執筆の動機だったのではないかということです。
確かに読んでいると、動物たちというよりは、人間の愚かしさが伝わってきます。
長いブランクを経てこれを書かなければというロフティングの情熱が伝わってくる作品だと思いました。
解説を書いておられる新井満さんが、お子さんたちに30分の読み聞かせをしておられたというエピソードも心に残りました。
ドリトル先生のシリーズを読んで、息子と楽しんできましたが、印象に残るという点では、この作品はシリーズ上でも忘れられない作品となりそうです。
お子さんの一人読みもいいと思いますが、この作品は井伏鱒二さんの名訳で、読み聞かせすると文章がよりいきいきとした形で子どもの心に残るような気がします。
読み聞かせをすると親子で楽しむこともできますので、読み聞かせ本としてもお薦めです。
最近、気付いたことですが、ドリトル先生を手にした方のほとんどが、「あっ!井伏鱒二」と驚かれることが多くて、案外訳のことは気にされていないんだなあとということです。
そんな意味でも親子でぜひ楽しんでいただけたらと思います。