ある車好きな男の子が本棚にある数ある絵本の中から持ってきたこの絵本。それじゃあ一緒に読もうかと開いてみるとあら困った、読んであげる字がないんですね。もちろん自由に子どもと見ていいのでしょうが、なんといっても絵が素晴らしいのでそれ相応の言葉を作らなきゃいけないような気がしてしまって焦りました。
対象は1歳半からとなっているにも関わらず見事な描写をされており、「子どもの本だからただ可愛く描けばいい」という妥協がまったくないように感じます。そして文章はなくとも絵自体が連続性を持っているので、絵でお話を見る子どもにとっては自然と語りかけてくる力を持っているのではないでしょうか。一般的に乳児向けとされる作品とは一味違った「子どもにこそ本物を」という意思を感じる作品です。