「チコときんいろのつばさ」 ７歳のお子さんに読んだ みんなの声

チコはつばさがありません。

ですが、木の実やくだものをとってきて助けてくれる仲間がいます。

ある日、チコの前に不思議な鳥がやってきて願い事をかなえてくれるというのです。


チコは金色のつばさ！っと。

自由に飛べるようになったチコは嬉しくて仲間に会いに行きましたが、金色のつばさを自慢していると思われ、仲間はチコをおいてどこかへいってしまうのです。

その後、チコは金の羽をあげて困っている人や貧しい人をたすけます。
そして、金の羽をあげた後から仲間と同じ黒い羽が…。

黒い羽根になったチコ、仲間の元へ。

仲間が｢ようやくきみも　ぼくたちと　おなじになったね｣
受け入れてくれました。

なかまってなんだろう。　見た目なの？　中身は変わらないのに！
今まで優しくしてくれていたのはじぶんたちよりも劣ってると、可哀そうに思ったから？　と

自分たちと違うと冷たくされ、そうでなくなると優しくなる…。


チコが言った最後の言葉は子供には理解できませんでしたがとても深いお話でした。

レオ・レオーニの1964年の作品。
邦訳は2008年。

物語は、つばさのないことりのチコが、つばさを欲するところから始まります。
そして、手にいれたのは金色のつばさ。
その途端に、仲間であったことりたちが避けるようになってしまうのです。
後半は、チコが貧しい人に金色のつばさを与えて助けるシーンが続くのですが、どこか幸せの王子のような展開です。

読後感は、とても哲学的な話で、レオ・レオーニの作品としては、ちょっと異色という感じがありました。
私は、外面よりも内面で判断することを訴求したいように思えましたが、読み手によって、捉え方も異なるでしょうし、考えさせられることも多いと思います。
子供が純粋に絵本を楽しむには、一寸難解かも知れません。