4歳の娘、9歳の息子と読ませて戴きました。
初めは、なんだか自分に酔いしれているオバケの様子が可笑しくて、
こういうナルシストキャラのオバケの話か!とウケていた私たち親子。
ところが次第に物語が進むにつれて、
どうやら違うらしいということが分かってきます。
一生懸命パーティの準備をしてきた女の子。
よかれと思ったことが裏目に出てしまったことって、
日常生活でも、多々、あります。
こういうときの対応って、本当に、
人間としての(←人間じゃないけど)真価が問われるというか、
「君が頑張ってくれていたのは、ボクが一番よく知っているよ。」と
さらりというオバケさん(←思わずさん付け)の懐の深さっていうか、
思わずジーンときて、隣にいた息子に、
「こういうオトコになりなさいよ。」と言ってしまった私なのでした。
そして息子だけでなく、もちろん、自分自身にも。
これから共に生活するなかで、家族や友人に対して、
おばけさんのような対応ができる自分でありたいと
切に思わされる一冊です。
最初のウケ狙い的ナルシズムから一点、
最後には涙・涙の感動ストーリーになる一冊ですが、
途中途中の絵もとっても素敵ですよ。
パーティが解散になってしまった後、
ひゅるり〜と風が吹きぬける閑散とした様子なんかは
とてもよく表現されていて
文字だけでは表現しきれない絵本の魅力というものを
改めて感じることができた一冊でもありました。