読み聞かせして、「これは今でいうところの職場でのパワハラを描いた作品なのでは?」と思いました。
なかなかこういった題材の絵本はありませんが、宮沢賢治の作品ということで、とても興味深く読みました。
猫の事務所とはありますが、これはもう人間社会の縮図ですね。
外見や能力、或は出生地や出身校などを問題にする。
こういった職場でのいじめは、残念ながら昔も今も変わらないようです。
見た目は汚いのに、仕事は優秀にこなすかま猫を、他の猫たちは快く思いません。
事あるごとに嫌がらせをし、無視をする場面は本当に腹が立ちました。
最初は中立的な立場だった事務長も、他の三匹にうそぶかれ、いじめに加担していきます。
人の悪口・陰口の恐ろしさ、いじめが広がっていくさまを垣間見た気がして、ゾッとしました。
最後、金色の獅子が現れ、事務所の解散を命じ、廃止となります。
物語はその後どうなったかは分かりません。
読み聞かせの後、息子は心に残るものがあったのか、一人で読み返していました。