ワンガリ・マータイは、ケニア出身の女性環境保護活動家です。
2004年、環境分野の活動家としては史上初のノーベル平和賞を受賞(アフリカ人女性としても史上初)されました。
1977年にグリーン・ベルト・ムーブメント(のちのアフリカン、グリーン・ベルト・ネットワーク)を設立して土壌の浸食と砂漠化を防止する植林活動を開始し、アフリカ大陸全土で植林活動を行い、民主化や持続可能な開発の推進に取り組んでいます。
彼女の生い立ちから、植林運動を始めた動機、そしてその活動の輪がアフリカ大陸全土へと広がって行く様子が絵本になっています。
ワンガリは木の葉が生い茂り、緑の傘のような、ケニア山のふもとに住んでいました。
料理に使う薪を近くの森で拾ったり、サツマイモ・サトウキビ・トウモロコシのたくさんの畑の実りを取り入れる母親を手伝っていました。
学校の成績が良かったワンガリは、奨学金制度でアメリカへ留学しました。
6年後、ケニアへ戻って来ると、ふるさとの村の暮らし、特に女性たちの暮らしがすっかり変わってしまった事に気づきます。
それは、9本の苗木から始まりました。
村の女性にも「木を取り戻せば、私たちの暮らしはもっと良くなります。一緒に希望の種を植えていきましょう。」と苗木をあげました。
せっせと植える女性たちの姿を、「門外漢が」と嘲笑するお役人等の声も気にせず、植え続けました。
ワンガリの村に緑が戻って来たという話が、ほかの村や町に伝わって……。
ワリンガの強い意思に感動しました。
女性の地位が低い社会の中で、懸命に戦った女性といえると思います。
ワリンガの呼びかけに呼応し、植え続けた女性たちの根気強さにもまた驚き感動しました。
豊かな緑の記憶のある彼女たち故に、この植林活動が成功したのだと思います。