日本の昔話の中でも、この「かさじぞう」は、いろんな人に愛されてきた
昔話ではないでしょうか。
私も大好きなお話です。
六じぞうさまが恩返しをするおなじみの昔話絵本。
むかし、貧しいけれど、心の優しいおじいさんとおばあさんが住んでいました。
村から町へ行く途中の道端に、六じぞうさまがいましたが、
道を行く人は、誰も手をあわせず、足もとめることもない中、
おじいさんとおばあさんは、野に咲く花を供えては、
手をあわせていました。
日ごろから、おじいさんとおばあさんは、お地蔵様に手をあわせていたのですね。
私がこのお話で一番好きなところ。
それは、おばあさんが丹精込めて編んだ笠を、
おじいさんが売れなかったといって、六じぞうさまにあげてしまい、
おまけに自分の笠までかぶせてしまう。
そんなおじいさんを怒ることもせず、
むしろ、「いいことをしましたねえ。」と喜ぶおばあさん。
おじいさんもおばあさんも、なんて優しい人たちなんだろう。
お互い思いやりながら、慎ましく生きるこの老夫婦をみて、
私も、こんな夫婦になりたいと思いました。
おじいさんとおばあさんは、頂いたお米で、早速おもちをつきます。
そして、お正月の朝、六じぞうさまに、つきたてのおもちをお供えするのでした。
村上勉さんといえば、
私が子供のころ大好きだったコロボックルシリーズの絵を担当していました。
だから、とても懐かしく親しみがわいてきます。
柏葉幸子さんの丁寧に書かれた文章も、
思いやりを持って生きる夫婦のことがわかりやすく表現されていると思いました。
年末年始にかけて、読んでおきたい昔話です。