「たまごにいちゃん」シリーズは、他にも読んだことがありましたが、これがシリーズ11作目というのには驚きました。
それだけ愛されている絵本なんですね。
もうすっかり大きくなっているはずなのに、たまごの中に入ったままでお母さんにくっついているにいちゃん。
そんなにいちゃんを、「早く自立しなさい」と急かしたり、焦ったりすることなく、子どもが自ら自立していくまで、温かく甘えさせてあげるお母さんに、ハッとさせられます。
にいちゃんは充分に甘え、お母さんの大変さもよくわかっていて、お母さんが大好きなんですね。
自分のためではなく、お母さんのために卵の殻を割り、自立する決心をします。
殻のなかで大切にされ、優しく強く育ったんだな〜、と思います。いづれ子どもたちが自立するときまで、親は充分に愛情を注ぎ、心ゆくまで甘えさせてあげたい。そしてそのときが来たら、ちゃんと手を離してあげたいなあ、と思う絵本です。