作者:ウィリアム・スタイグさんは魔法を使って何かに変身する話が好きなのでしょうか? つい最近、『ロバのシルベスターとまほうの小石』を読んだばかりなので、主人公がロバからうさぎへ、そしてピンチになって変身するのが岩から釘になったという感じで、共通点がとても目に付きました。どちらも、しばらくの間、家族と離れ離れになって淋しい思いに耐えて、時を待つところまで、同じです。
個人的には、ロバのシルベスターの方がしっとりした感じで私の好みですが、ソロモンが釘に変身する術を身につけた時の夕食の席での、ニンマリ顔がとても好きです。
今回は火事になってしまって、釘になったソロモンは大丈夫なのだろうかと心配しましたが、考えてみると、この変身の話は希望を失ったかのように見えても最後はハッピーエンドで元に戻るとなっているで、そこにウィリアム・スタイグさんの人生観みたいなものがあるのかな?